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2006年11月 6日 (月)

#8 ある晴れた日、リオの海岸に吹く涼風 “スタン・ゲッツ&アストラッド・ジルベルト”

 スタン・ゲッツアストラッド・ジルベルト『セッションズ・オン・ヴァーヴ(Sessions On Verve)』は、どこか物憂げでいて涼しげなアルバムだ。暑い夏に聴くのもいいし、まったりとした秋の夜長に聴くのもまたいい。

スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト『ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)』がお好きで、アストラッド・ジルベルトの声がいいという方には特にお薦めです。

アストラッド・ジルベルトの魅惑的な声。清楚で透明感があるのにアンニュイな感じが私は好きだ。歌を大切にするスタン・ゲッツのテナー・サックスも絶妙で、ほどよいスパイスとなっている。テナー・サックスの音が耳障りだという意見もあるようだが、私はむしろいいと思っている。

ボサ・ノヴァの代名詞ともいえる“イパネマの娘(The Girl From Ipanema)”は三種類のテイクを楽しむことができるので、イパネマ・ファンにとっても一度は聴いておきたいアルバムだ。

ジョアン・ジルベルト(当時、アストラッドの夫)のポルトガル語で始まり、アストラッド・ジルベルトの英語へと続くオリジナル・ヴァージョンがテイクその①。シングル・ヴァージョンとして発売されたアストラッドだけで歌うのがテイクその②。そして、コンサートホールでのライヴがテイクその③。ライヴ・テイク以外は、作曲者のアントニオ・カルロス・ジョビンがピアノを弾いている。

“イパネマの娘”が生まれた背景には、有名なエピソードがある。

1962年ごろ、リオデジャネイロ南部のイパネマでのお話。イパネマビーチの近くにあるバー「ヴェローゾ」に、作曲者のアントニオ・カルロス・ジョビンや作詞者のヴィニシウス・ヂ・モライスらがよく顔をだし酒を飲んでいたという。彼らが店で時おり見かけるひとりの美少女がいた。彼女の名前はエロイーザ・エネイダ・メネーゼス・パエズ・ピント。ずいぶんと豪華な名前だ。エロイーザは母親の使いで「ヴェローゾ」にしばしば立ち寄っていたそうだ。そんな彼女がジョビンとモライスを虜にしてしまうのに時間はかからなかった。彼らはエロイーザにイマジネーションを大いに掻き立てられ、“イパネマの娘”という名曲を生むことになったとさ。

バー「ヴェローゾ」は、「ガロータ・ヂ・イパネマ(イパネマの娘)」と名前をかえ、現在は観光スポットのひとつとなっているようだ。

それにしても、アストラッドの“イパネマの娘”を聴いていると、リオの青い空と心地よい風はきっとこんなのに違いないと想像し、感じてしまうのだ。焼けつく太陽の下、砂浜をひとり歩く美少女エロイーザ。波の音は静かで、そのシーンに流れるBGMは、もちろん “イパネマの娘”だ。

リオに行ったことはないが、もし行く機会があればイパネマビーチには必ず立ち寄りたいと思う。そうさ、エロイーザの幻影をもとめて。ふむ。

 

スタン・ゲッツ&アストラッド・ジルベルトの貴重な映像は、こちらからご覧になれます。

The Girl From Ipanema(Stan Getz & Astrud Gilberto)の動画

※ 音声がかなり悪いのですが、これは必見です。

スタン・ゲッツ&アストラッド・ジルベルトの“Corcovado”は、こちらからご覧になれます。

Corcovado(Stan Getz & Astrud Gilberto)の動画

 

   

★ 本日の L-O-V-E

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 ジャズという音楽の領域はロックのそれに勝るとも劣らないくらいに幅広く吸収している。それこそプログレッシヴなジャズもあればシンプルなジャズボーカル…、ジャズボーカルかぁ、それも良いなぁ…書いてるそばか... [続きを読む]

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